◎ 住宅街に突然現れる武蔵野の竹林——東久留米・竹林公園で孟宗竹・湧水・再整備された木のぬくもりを楽しむ


竹林公園(ちくりんこうえん)は、東京都東久留米市南沢にある市立公園で、落合川右岸の武蔵野段丘崖線(国分寺崖線)の斜面に広がる約2,000本の孟宗竹の林が特徴の静かな自然公園です。「新東京百景」(1983年選定)のひとつに数えられ、園内から湧き出す湧水は「東京の名湧水57選」にも選定されています。池・小川・竹林・雑木林が一体となったコンパクトながら奥深い公園で、散策に15〜20分もあれば一周できるサイズですが、その中で味わえる竹林浴・湧水のせせらぎ・木漏れ日の景観は格別です。

令和5年度(2023年度)から始まった市民参加型の再整備事業により、令和8年(2026年)3月に再整備が完了。バリアフリー対応のウッドデッキや憩いのパーゴラ(日よけ付き休憩所)が新設され、老若男女が訪れやすい公園に生まれ変わりました。東久留米駅から徒歩約10〜15分のアクセスで、落合川・南沢緑地との組み合わせ散策コースとしても人気の穴場スポットです。

基本情報

  • 正式名称:竹林公園(東久留米市立公園)
  • 所在地:東京都東久留米市南沢1丁目8(Wikipediaより。市公式サイトは南沢1-7)
  • 管理:東久留米市
  • 面積:約6,103㎡(約0.61ha)※平成26年以降の拡張後
  • 整備:1974年(昭和49年)に公園として整備開始/1976年着工・その後段階的に拡張
  • 文化的指定:新東京百景(1983年〈昭和57年〉選定)/東京の名湧水57選(2003年〈平成15年〉選定)
  • 地形:段丘平坦面の標高約55m・湧水点の標高約44m。落合川右岸崖線の斜面を活かした起伏ある地形

⏰ 開園時間・休園日・入園料

  • 開園時間:常時開放(24時間)
  • ⚠️ 夜間は照明が少ない箇所があります。暗くなってからの立ち入りには注意してください
  • 休園日:なし(年中開放)
  • 入園料:無料

🅿 駐車場

  • 公園専用の一般駐車場はなし
  • 老松橋方面から進んだ先(湧水入口側)に駐車可能なスペースがある場合があるが、台数は極めて少数。公共交通機関での来園を強くおすすめします

アクセス

  • 西武池袋線「東久留米」駅 西口:徒歩約10〜15分(公園は駅の南方に位置する)
  • ルートの目安:西口を出て、高圧線の鉄塔を目指して南下。自動車教習所を右に見たら「竹林公園通り」に入る。このルートが最もわかりやすい(廣田稔明『東京の自然水124』でも推奨されている定番ルート)
  • 老松橋を越えて先に進むと左手に湧水入口側の公園が見える

💡 散策コースとして:竹林公園は「落合川と南沢湧水群」散策コースの一部です。南沢緑地保全地域(約700m上流)との組み合わせ散策が定番で、東久留米の名湧水をめぐるウォーキングコースとして観光客や地域住民に親しまれています。「落合川と南沢湧水群」は2008年に環境省の「平成の名水百選」に都内で唯一選定されており、竹林公園はその重要なスポットのひとつです。

歴史

武蔵野台地では孟宗竹(もうそうちく)はケヤキ・白樫と並ぶ身近な植生で、かつては東久留米市内の農家にも必ず竹林があったといわれます。都市化が進むにつれて市内の竹林が次々と失われていく中、市は南沢の竹林を購入し、自然公園として整備することを決定。1974年(昭和49年)に公園として整備され、成美公園と同時に1976年に着工し、段階的に拡張されてきました。

開園から数年後の1980年〜1982年には、市民によるタケノコの採取が竹林の存続を脅かすほど激しくなったため、毎年4月1日から2〜3か月間、公園の一部を立ち入り禁止とする異例の措置が実施されました。竹林保全のための厳しい判断でしたが、それが実を結び、現在は約2,000本もの孟宗竹が健全に育っています。1983年(昭和57年)には東京都の「新東京百景」に選定。平成に入ってからも拡張用地の購入が続き、平成26年(2014年)以降は約6,103㎡の面積を有しています。

令和5年度(2023年度)からは「竹林公園をフィールドとしたストックマネジメントプレビュー事業」として、小学生とその保護者を交えた計4回のワークショップで再整備の方向性を検討。バリアフリー化・多世代交流・遊びと学びの場の実現をテーマに工事が進められ、令和8年(2026年)3月に再整備が完了しました。

見どころ

🎋 孟宗竹の竹林(約2,000本)——新東京百景

  • 武蔵野段丘の崖線斜面に沿って、約2,000本の孟宗竹がうっそうと生い茂る。竹と竹の間を縫うように遊歩道が整備されており、一周できる
  • 風が吹くと竹同士がこすれる独特のソヨソヨという音、葉越しに差し込む木漏れ日——どちらも日常の喧騒を忘れさせてくれる深い静寂の景観
  • 緑が特に鮮やかな春〜夏(4〜5月の若竹の新緑がとくに美しい)と、雪化粧した水墨画のような冬の竹林と、両方の顔を持つ
  • 「新東京百景」に選ばれた景観として、写真撮影スポットとしても人気。竹の真下から見上げるショットが特に映える

💧 湧水・湧水池・こぶし沢(東京の名湧水57選)

  • 園内の丘下(崖線の崖裾)から湧き出す湧水が「東京の名湧水57選」(2003年選定)に指定されている。正式名「CP-1 竹林公園の池」を源流に、複数の湧水点(CP-1〜CP-4)が存在する
  • 湧水量は通年安定しており、水質も良好(pH 6.0)。この湧水が幅約2mの小川「こぶし沢」を形成し、落合川へと注ぐ。この流れは「落合川と南沢湧水群」(平成の名水百選)の一部
  • 湧水池は竹林を抜けた先の雑木林の中にあり、そのほとりには小さな石の祠が鎮座する。静かな水面に周囲の木々が映り込む景色が美しい
  • 夏は水が冷たく、子どもたちの水遊び場として長年にわたって地域に親しまれてきた

🌿 遊歩道・バリアフリーウッドデッキ(2026年3月新設)

  • 竹林を一周できる遊歩道を整備。起伏のある斜面地形をそのまま活かしているため、高低差と変化に富んだ散策ルートになっている
  • 2026年3月の再整備で車いすでも通れるウッドデッキが新設され、バリアフリー化が実現。これまで足元の悪さが課題だったエリアに安心して入れるようになった
  • 一周の所要時間は15〜20分程度(ゆっくりの散策ペース)

🏡 パーゴラ(日よけ付き休憩所・2026年3月新設)

  • 2026年3月の再整備でパーゴラ(屋根付きの開放的な休憩スペース)が新設された。子ども・子育て世代をはじめ多世代が憩える場として設計されており、竹林の景色を眺めながらゆっくり休憩できる
  • 再整備完成お披露目イベントでは竹細工講座・ライトアップなども行われ、地域の交流拠点としての活用が始まっている

✨ 2026年3月完了!再整備のポイント

「竹林公園をフィールドとしたストックマネジメントプレビュー事業」として令和5年度(2023年度)から取り組まれてきた再整備が、令和8年(2026年)3月に完了しました。再整備のコンセプトは「既存の景観とコンセプトを尊重しながら、多世代交流や遊び、学びの場」。小学生とその保護者が参加したワークショップで出されたアイデア(七夕の星座観察会・竹細工・キャンドルナイト等)を踏まえながら、下記の整備が実施されました。

  • バリアフリー対応ウッドデッキの新設:車いすや高齢者・ベビーカーでも竹林エリアへのアクセスが向上
  • パーゴラ(屋根付き休憩所)の新設:雨天時や猛暑日にも休憩できる木造の開放的な休憩スペース
  • お披露目イベントの開催:竹細工講座・竹林ライトアップなどの記念企画を実施

四季の楽しみ方まとめ

  • 🌿 春(4〜5月):若竹の新緑が最も鮮やか。薄黄緑から深緑へと変わる若竹の色のグラデーションが見事。タケノコの時期でもある(採取は禁止)
  • ☀️ 夏(6〜9月):竹の密生で強い日差しが遮られ、園内は外より涼しい天然の日陰。湧水池の冷たい水辺で子どもが水遊びを楽しむ季節。虫除けスプレーは必携
  • 🍂 秋(10〜11月):竹は常緑なので紅葉は少ないが、雑木林エリアの落葉樹が色づく。人も少なく、静かな散策に最適な穴場シーズン
  • ❄️ 冬(12〜3月):積雪後の竹林は水墨画のような世界観。「新東京百景」に選ばれた理由のひとつ。空気が澄んで音が通りやすく、竹のそよぐ音がより際立つ

周辺散策コース——東久留米の名湧水めぐり

竹林公園は「落合川と南沢湧水群」散策コースのハイライトのひとつです。環境省「平成の名水百選」(都内唯一、2008年選定)に選ばれた落合川・南沢湧水群のエリアには複数の見どころが点在しており、竹林公園を起点に以下のようなコースでめぐるのがおすすめです。

  • 南沢緑地保全地域(竹林公園の約700m上流):武蔵野の雑木林の中に南沢湧水が点在する地域。「東京の名湧水57選」にも選定。カルガモ・カワセミ・ホトケドジョウが生息する貴重な生態系
  • 落合川(こぶし沢との合流付近):竹林公園の湧水が形成したこぶし沢が落合川に合流するポイント。天然の澄んだ水と川遊びが楽しめる
  • 南沢水辺公園:南沢氷川神社向かいにある市民参加型で整備された水辺公園
  • 東久留米市発行の「湧水散策ガイドマップ」(市公式サイトからダウンロード可)を持参すると各湧水ポイントを効率よく回れます

訪問アドバイス

  • 高圧線鉄塔を目印に:東久留米駅西口から竹林公園へのルートは「高圧線の鉄塔を目指して南下し、自動車教習所を右に見て竹林公園通りへ」が最もわかりやすいルートです。初めての方は地図アプリを活用し、「竹林公園通り」というルートを確認してから出発すると迷いにくい
  • 歩きやすい靴で来園を:再整備でウッドデッキが新設されバリアフリー化が進みましたが、竹林の遊歩道は起伏があり、雨後はぬかるみや落ち葉で滑りやすい箇所があります。スニーカー以上の靴を推奨します
  • 夏は虫除けが必携:湿度の高い竹林・湧水周辺は夏場に藪蚊(ヤブカ)が多く発生します。虫除けスプレーは必ず持参してください
  • 植物採取・タケノコ採取は厳禁:開園当初にタケノコの乱獲で竹林の存続が危ぶまれた歴史があります。植物の採取(タケノコを含む)は条例で禁止されています
  • 一周15〜20分のコンパクトな公園:公園自体は小規模なので、近隣の南沢緑地・落合川と組み合わせた半日コースで訪れるのがおすすめ。東久留米市の湧水散策ガイドマップを事前ダウンロードしておくと充実度が上がります
  • 夜間は照明が少ない:公園内は夜間の照明が限られています。日没後の来園は危険なため、明るい時間帯に訪れましょう

竹林公園【まとめ】

竹林公園は、武蔵野台地の崖線がもたらす湧水と孟宗竹の林を市が購入・整備して生まれた、東久留米市の自然遺産ともいうべき公園です。「新東京百景」「東京の名湧水57選」のダブル選定が示すとおり、自然的・景観的な価値は折り紙付き。2026年3月に完了した市民参加型の再整備によって、バリアフリーウッドデッキとパーゴラが加わり、より多くの人が訪れやすくなりました。
一周わずか15〜20分のコンパクトな公園ですが、竹のそよぐ音・湧水のせせらぎ・木漏れ日の静寂という体験の密度はとても高い。「平成の名水百選」選定の落合川・南沢湧水群の散策と組み合わせて、東久留米の豊かな水と緑の魅力をぜひ存分に味わってみてください。

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最新の公園情報・再整備の詳細は、東久留米市公式ホームページ(竹林公園ページ):https://www.city.higashikurume.lg.jp/shisetsu/kouen/1001496/1002180.html、および再整備完了のお知らせ:https://www.city.higashikurume.lg.jp/shisetsu/kouen/1022461/1028891.html でご確認ください。