◎ 幹回り3mの巨木が空を覆う都心の森——林試の森公園で樹木観察・野鳥・夏の水遊びを楽しむ


林試の森公園(りんしのもりこうえん)は、東京都目黒区下目黒と品川区小山台にまたがる都立公園です。明治33年(1900年)から昭和53年(1978年)まで78年にわたって農商務省・林野庁の林業試験場として使われた跡地を活用して整備され、1989年(平成元年)6月1日に開園しました。試験場時代に植えられた国内外の多様な樹木が、100年以上の歳月を経てそのまま残されており、幹回り3mを超える巨木が数多く立ち並ぶ「本物の森」が都心に現存するという点で他の公園にはない特別な魅力を持ちます。

面積は約12.3ha(東京ドーム約2.5個分)。東西約700m・南北約250mの細長い形状で、外周の園路を一周すると約45分。森林浴・樹木観察・野鳥観察・子どもの水遊びと、多彩な楽しみ方があり、地域住民から愛される穴場の都立公園です。武蔵小山商店街(パルム)から徒歩圏内という立地で、散策後のランチや買い物にも便利です。

基本情報

  • 正式名称:都立林試の森公園(東京都立公園)
  • 所在地:東京都品川区小山台2-6-11(サービスセンター)/目黒区下目黒5丁目・品川区小山台2丁目にまたがる
  • 電話:03-3792-3800(林試の森公園サービスセンター)
  • 面積:約123,397㎡(約12.3ha、東京ドーム約2.5個分)
  • 形状:東西約700m、南北約250mの細長い公園(外周一周約45分)
  • 管理:公益財団法人 東京都公園協会
  • 開園:1989年(平成元年)6月1日
  • 特徴:林業試験場時代の巨木・珍木が100年以上の歴史を持ったまま現存。幹回り3mを超えるケヤキ・クスノキなど多数。森・草原・水辺(上池・下池・小水路)・湿地エリアが共存する多様な生態系

⏰ 開園時間・休園日・入園料

  • 開園時間:常時開放(24時間)
  • ⚠️ 夜間は照明が少ないエリアがあります。暗くなってからの立ち入りは注意してください
  • サービスセンター・各施設:年末年始は休業。営業時間等の詳細はサービスセンター(03-3792-3800)へ確認
  • 入園料:無料(デイキャンプ場など一部施設は有料・要予約)

🅿 駐車場

  • 駐車場なし(公共交通機関での来園を推奨)

アクセス

  • 東急目黒線「武蔵小山」駅:徒歩約10分(最寄り駅)
  • 東急目黒線「不動前」駅:徒歩約10分(目黒不動尊側から来園する場合にも便利)
  • 都営三田線・東京メトロ南北線「武蔵小山」駅(東急目黒線と接続):上記と同じ路線
  • 東急バス 渋72系統(渋谷・恵比寿・五反田間):渋谷駅・恵比寿駅・五反田駅から「林試の森入口」バス停下車、徒歩約1分(最寄り入口は「あかしあ門」)
  • ⚠️ 毎月28日と正月3が日の目黒不動尊縁日日は、渋72系統が「林試の森入口」バス停を通過できないため、「目黒不動尊前」バス停から徒歩移動が必要です
  • JR目黒駅からも徒歩15〜20分程度(途中急な下り坂あり)でアクセス可能

💡 目黒不動尊と組み合わせるのがおすすめ:東門近くに目黒不動尊(瀧泉寺)が位置しています。江戸五色不動のひとつで、境内は見どころ豊富。公園散策とセットで訪れると充実した半日コースになります。

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歴史

林試の森公園の歴史は1878年(明治11年)まで遡ります。現在の東京都北区・西ケ原に農商務省林野整理局樹木試験所が設立され、そこから目黒川支流の羅漢寺川谷戸の北斜面に植樹を移し、1900年(明治33年)6月に「目黒試験苗圃(もくしんけんしょうほ)」として開設されたのが始まりです。当時の広さは約45,000坪(約149,000㎡)にも及びました。

1905年(明治38年)に「林業試験所」、1910年(明治43年)に「林業試験場」と名称を変え、国内外の樹木の研究・育成の拠点として長く機能しました。周辺には大正〜戦後にかけて北里研究所・国立予防衛生研究所など18もの研究施設が置かれ、「研究者の街」ともいえる一角を形成していました。1978年(昭和53年)、筑波研究学園都市への移転に伴い林業試験場が閉鎖され、跡地は東京都に払い下げられます。「目黒公園」として暫定開放された期間を経て、1989年(平成元年)6月1日に「都立林試の森公園」として正式に開園しました。

現在も拡張計画が進行中で、公園南に隣接する国家公務員住宅跡地(約2.2ha)および西に隣接する都営住宅跡地の一部が将来の整備対象エリアとなっており、公園がさらに広がることが期待されています。

見どころ・施設

🌲 巨樹・珍木の森——シンボルツリー「大きなクスノキ」

  • 100年以上の歴史を持つ林業試験場の遺産として、幹回り3mを超える巨木が数多く現存。都内屈指の巨樹密度を誇る
  • 最も太い木:幹周3.82mのケヤキ。最も高い木:高さ35.5mのポプラ
  • 芝生広場の「大きなクスノキ」は公園のシンボルツリー。ケヤキ・クスノキ・ポプラ・スズカケノキ(プラタナス)が空高くスカイラインを形成する
  • 珍しい外国産樹木(カイノキ・トチュウ・シナユリノキ・チンタオトゲナシニセアカシア・ベニカエデ・ヒマラヤゴヨウ・レバノンスギ等)や希少な在来樹木(ハナガガシ〈絶滅危惧種〉・ニオイドロ・シマサルスベリ・ヨコグラノキ・ナナミノキ等)も各所に配置され、解説プレートが付いているため自学的な樹木観察が楽しめる
  • 2025年7月にリニューアルされた「樹木ガイドマップ」(公式サイトからダウンロード可)を持参すると散策がより深まる
  • アベマキの古木には都区内でも珍しいミズイロオナガシジミ(チョウの一種)が発生する希少スポット

🐦 野鳥観察

  • 都心では極めて珍しいオオルリ・キビタキ・カワセミ・サンコウチョウが確認されている。いずれも豊かな森を好む夏鳥・留鳥で、これが都内で観察できること自体が驚き
  • オナガ・シジュウカラ・コゲラは年間通して見られ、水辺の流れにはカモ類・コサギが飛来する
  • 野鳥観察目的の来園者も多く、バードウォッチャーに人気の穴場スポット。双眼鏡持参がおすすめ

🌊 上池・下池・小水路(ラクウショウの森)

  • 公園はかつて湿地でした。現在も上池と下池、そしてそれらをつなぐ小水路が当時の面影を残す
  • 池を囲むようにラクウショウ(落羽松)が茂る「ラクウショウの森」は、池への映り込みが美しく写生会・フォトスポットとして人気。四季を通じて表情が変わる
  • 園内中央には品川用水の歴史にちなんだ水車が復元されている

💦 ジャブジャブ池(夏季限定・水遊び場)

  • 白御影石の石組みをあしらった子ども向け徒渉池(水遊びスペース)。滝石から3つのノズルで放水され、水車・水門・流れも楽しめる。毎年多くの子どもたちが楽しみに来園する夏の人気施設
  • 開放期間(2025年実績):7月7日(土)〜9月2日(日)、毎日10:00〜15:00(毎週木曜は清掃日のため休止。雨天・外気温25℃以下の場合も休止)
  • 対象:小学生以下の児童・幼児(小さいお子様は保護者の付き添いが必須。泳ぎ禁止・水着着用が必要・おむつ着用のままの入水不可)
  • 一度に利用できるお子様の上限は60名。混雑時は入場制限あり
  • 2025年度の利用は2025年9月初旬で終了。2026年度の開放日程は公式サイトまたはサービスセンターへ確認

🌿 芝生広場・森の広場

  • 開放的な芝生エリアがいくつか点在。シンボルツリー「大きなクスノキ」の下で過ごすピクニックが定番の過ごし方
  • 春の桜(ソメイヨシノ・カワヅザクラ・ヤマザクラ)、夏のアジサイ・ハナショウブ・シマサルスベリ、秋のキンモクセイ・紅葉(モミジ・イロハカエデ)と四季の彩りが楽しめる

🧗 冒険広場・幼児コーナー

  • 子ども向けのロープ遊具・複合遊具がある冒険広場。木々に囲まれた環境でのびのびと遊べる
  • 隣接する幼児コーナーにも小さな子向けの遊具が設置されている

🏕️ デイキャンプ場(5〜10月・要予約)

  • ケヤキの屋敷林に囲まれた環境で炊事体験ができる、小・中学生を中心とした団体向けの教育施設
  • 利用人員は最大50名まで。5月〜10月の期間、要予約・有料で利用可能
  • 学校の課外学習・PTAイベントなどに人気。公式サイトの「校外学習に役立つティーチャーズガイド(第一弾)」も参考に

🗓️ イベントカレンダー

🌸 春(3〜4月)桜・花見散策

  • カワヅザクラが早春2月下旬頃から咲き始め、ソメイヨシノ・ヤマザクラが3月下旬〜4月上旬に続く。巨木が立ち並ぶ森の中に咲く桜は、他の公園とは異なる趣がある
  • 2026年3月:桜花期含む園内利用についての最新お知らせを公式サイトで発表済み(詳細は要確認)

💦 夏(7〜9月)森のサマースクール・ジャブジャブ池

  • 「森のサマースクール」(2025年は7/19〜8/31開校):夏の間、子ども向けの自然観察・工作プログラムを集中開催。巨樹の木陰で実施されるため夏でも比較的涼しく快適
  • 「林試のMORIMORIクエスト」(8月):園内をスタンプラリー形式で巡りながら樹木・生きものを学べる参加型イベント
  • ジャブジャブ池の水遊びシーズン(7月〜9月初旬)。混雑時は入場制限があるため早めの来園を

🍂 秋(10〜11月)自然観察会・夜の森イベント

  • 「林試の森の自然観察会」(11月頃):森の動植物・野鳥を専門スタッフのガイドのもとで観察するイベント。先着申込制
  • 「きら林〜Kirarin〜」(9月27日・2025年実績):夜の森での工作と自然観察を組み合わせた特別夜間イベント
  • キンモクセイの香りが漂う9〜10月、モミジ・イロハカエデの紅葉が見頃を迎える11月

❄️ 冬(12〜2月)学生シンポジウム・防災フェア

  • 「林試の森の学生シンポジウム」(2026年2月28日開催):林業・森林・自然をテーマにした研究発表・交流イベント
  • 「防災フェアin林試の森」(2026年3月1日開催):防災体験・展示のイベント。地域住民向けの実用的な企画
  • 冬の森は落葉して見通しがよく、野鳥観察の絶好のシーズン。静かな巨木の森を独り占めできる穴場の時期

🖼️ 年間開催「森のアトリエ」

  • 公園が主催する年間を通じたワークショップ・クラフトイベント。毎年年度初めに年間スケジュールが公開される(2025年度は3月25日公開)
  • 落ち葉・木の実・自然素材を使った工作など、大人から子どもまで楽しめる内容が多い

四季の楽しみ方まとめ

  • 🌸 春:カワヅザクラ→ソメイヨシノと続く桜の季節。巨木に囲まれた独特の森の花見を楽しめる
  • 💦 夏:巨樹の木陰で涼しく森林浴・散策。ジャブジャブ池で子どもたちが水遊び。森のサマースクールで自然体験
  • 🍂 秋:キンモクセイの香り(9〜10月)→モミジ・ラクウショウの紅葉(11月〜12月)。野鳥観察会シーズンでもある
  • ❄️ 冬:落葉した巨木の幹の美しさと静寂。野鳥が見つけやすく、バードウォッチングのベストシーズン

訪問アドバイス

  • 樹木ガイドマップを事前にダウンロードしておこう:2025年7月にリニューアルされた「樹木ガイドマップ」(公式サイトから無料ダウンロード)を持参すると、各樹木の解説プレートと合わせて格段に深い樹木観察ができます
  • ジャブジャブ池は事前予約システムあり:混雑シーズンの週末は事前予約(公式予約フォーム https://rinshi3800.rsvsys.jp/)でスムーズに入場できる場合があります。上限60名を超えると入場制限がかかるため早めの来園を
  • 夏は虫除けが必須:豊かな森があるだけに藪蚊(ヤブカ)が多く発生します。夏のの来園は虫除けスプレー・長袖が必携です
  • 雨後は足元に注意:落ち葉や土の道が多く、雨後は滑りやすくなります。歩きやすい靴での来園を推奨します
  • 植物採取は禁止:林業試験場時代の貴重な樹木・植物が保護されています。実・葉・枝などの採取は禁止です
  • 撮影申請が必要な場合あり:商業撮影・映像制作はサービスセンターへの事前協議が必要です(書類を直接持参または郵送・FAX)
  • 武蔵小山商店街(パルム)と組み合わせて:武蔵小山駅から公園へ向かう途中に、日本最長クラスのアーケード商店街「パルム」があります。散策後の食事・買い物に便利な下町の定番コースです

林試の森公園【まとめ】

林試の森公園は、100年以上の林業研究の遺産として国内外の珍しい樹木が現存する、都心では極めて希少な「本物の森」の公園です。幹回り3mを超える巨木が立ち並ぶ森の中で、オオルリやカワセミなどの野鳥が飛び交い、夏には子どもたちがジャブジャブ池で笑顔を見せる。整形された庭園や華やかな花見スポットとは一線を画す、静かで奥深い森林浴体験がここにあります。
2025年にリニューアルされた樹木ガイドマップや、季節ごとの充実したイベントプログラム(森のサマースクール・自然観察会・森のアトリエ)で何度訪れても新しい発見があります。武蔵小山・不動前エリアに来たら、ぜひ公園の巨木の下で深呼吸をしてみてください。

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最新のイベント情報・開花情報・ジャブジャブ池の開放日程は、林試の森公園 公式サイト(東京都公園協会):https://www.tokyo-park.or.jp/park/rinshinomori/ および公式X:@ParksRinsi でご確認ください。