◎ 和歌の世界を歩く江戸大名庭園。六義園で四季の幽玄を味わう
六義園(りくぎえん)は、東京都文京区本駒込にある都立庭園で江戸時代の大名庭園を代表する回遊式築山泉水庭園です。
造園当時から小石川後楽園とならび「江戸の二大庭園」に数えられ、1953年(昭和28年)に国の特別名勝に指定されています。
万葉集・古今和歌集に詠まれた名勝の景観を「八十八境」として庭内に写し出した文学的造詣に満ちた日本庭園です。
大泉水(おおいずみ)と呼ばれる大きな池を中心に、中の島・築山・茶室・橋・石組みが巧みに配置され、一周しながら次々と変わる景色を楽しむ「回遊」の醍醐味があります。
春のしだれ桜ライトアップ、秋の紅葉夜間特別観賞のいずれも東京を代表する風物詩として知られ、SNSでも毎シーズン話題になります。
都心にありながら建物がまったく視界に入らず、都市の喧騒を完全に忘れることができる静けさが繰り返し訪れる人を惹きつける最大の魅力です。
基本情報
- 正式名称:六義園(都立文化財庭園)
- 所在地:東京都文京区本駒込6-16-3
- 電話:03-3941-2222(六義園サービスセンター)
- 面積:約87,809㎡(約8.8ha)
- 管理:公益財団法人 東京都公園協会
- 開園(一般公開):1938年(昭和13年)
- 特別名勝指定:1953年(昭和28年)3月31日
- 特徴:大泉水と中の島・築山を中心とした回遊式築山泉水庭園。紀州(現・和歌山県)の和歌の浦の景勝と、万葉集・古今和歌集に詠まれた名勝を「八十八境」として写し出した庭園
⏰ 開園時間・休園日
- 開園時間:9:00〜17:00(最終入園16:30)
- ※しだれ桜・紅葉の夜間特別観賞など、イベント期間は開園時間が延長されます
- ※GWなど一部期間も開園時間が延長される場合があります
- 休園日:年末年始(12月29日〜1月1日)
💴 入園料
- 一般:300円
- 65歳以上:150円
- 小学生以下(要付添)・都内在住/在学の中学生:無料
- 団体(20名以上):一般240円/65歳以上120円
- 身体障害者手帳等提示:本人および付添者1名まで無料
- 年間パスポート(都立文化財9庭園共通):一般4,000円/65歳以上2,000円
- 六義園・旧古河庭園 共通「園結びチケット」:一般400円/65歳以上200円(使用期限なし。2庭園それぞれに1回ずつ入園でき、個別購入より割安)
- 日中限定オンライン入園券:当日限り有効(夜間特別観賞券とは別)
- 交通系電子マネー・クレジットカード・各種コード決済対応(当日窓口・オンライン双方)
- 無料公開日:みどりの日(5月4日)・都民の日(10月1日)
- ⚠️ ペット同伴(ケージ入りを含む)は不可。補助犬との入園は可能
- ⚠️ 再入場不可(夜間特別観賞は17時に一度閉園・18:30より再開園)
アクセス
- JR山手線・東京メトロ南北線「駒込」駅 南口(正門):徒歩約7分
- JR山手線・東京メトロ南北線「駒込」駅 南口(染井門):徒歩約2分(イベント開催時・桜花期などに臨時開門)
- 都営地下鉄三田線「千石」駅(I14):徒歩約10分(正門方面)
- 駐車場なし。公共交通機関でのご来園を推奨します
💡 旧古河庭園との組み合わせがおすすめ:六義園の正門から旧古河庭園まで徒歩約15分。「園結びチケット」を使えば2庭園をお得に楽しめます。旧古河庭園は洋館とバラ園・和の日本庭園が融合したユニークな庭園です。
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歴史
元禄8年(1695年)、五代将軍・徳川綱吉の側用人であった柳澤吉保(やなぎさわ よしやす)が、幕府より下屋敷として与えられた駒込・染井村の地に、自ら設計・指揮して7年の歳月をかけて造り上げた大名庭園です。平坦な武蔵野の台地に池を掘り山を築き、紀州(現・和歌山県)の和歌の浦の景勝と、万葉集・古今和歌集から名勝を取り出して「八十八境」として表現しました。吉保は当時随一の文化人としても知られており、その文学的造詣の深さが「繊細で温和な」庭園の随所に反映されています。
庭園の名称「六義園(むくさのその)」は、中国の古い詩集「毛詩(もうし)」の「詩の六義(りくぎ)」——風・賦・比・興・雅・頌という分類——を、歌人・紀貫之が転用した和歌の「六体(むくさ)」に由来します。吉保が「八十八」にこだわったのは、八が「八雲」に通じ、和歌の道を表し、八十八の数が未来永劫を意味するとされたからだといいます。
明治時代に入ると三菱の創業者・岩崎彌太郎の所有となり、別荘として使われました。彌太郎の弟・彌之助による修復、その子・久弥の代で本邸となり、明治38年(1905年)には日露戦争の戦勝祝賀会も催されました。1938年(昭和13年)、岩崎久弥から東京市へ寄付されて一般公開が開始。1953年(昭和28年)3月31日に国の特別名勝に指定されました。
見どころ
🌊 大泉水と中の島
- 庭園の中心に広がる大きな池。池の中央に「中の島」があり、島の上には「妹山・背山(いものやま・せのやま)」と呼ばれる築山がある。古くは女性を「妹(いも)」、男性を「背(せ)」と呼んだことに由来する
- 池のほとりの「渡月橋」は一枚岩に見えて実は2枚の大岩で構成された石橋。紅葉の時期には橋の左側のモミジが色づき絵のような景色に
- 「玉藻磯(たまものいそ)」「臥龍石(がりゅうせき)」などの八十八境のひとつひとつが散策路に沿って配置されており、歩くたびに新たな発見がある
- 都心にありながら庭園内から建物がまったく視界に入らない——それが六義園最大の驚きであり魅力
🌸 しだれ桜(高さ約15m・幅約20m)
- 内庭大門付近にある樹齢数百年の巨木で、六義園のシンボル。高さ約15m・幅約20mという圧倒的なスケールで、満開時には薄紅色の花が滝のようにあふれ落ちる姿が「圧巻」と称される
- ソメイヨシノよりひと足早く、例年3月中旬〜下旬に見頃を迎える
- 開花期間に合わせて「春夜の六義園 夜間特別観賞」(3月中旬〜下旬の連続した約1週間)が開催される。東京の春の桜ライトアップの中でもトップクラスの人気を誇る
- 2026年は3月18日(水)〜24日(火)に開催。18:30〜21:00(最終入園20:00)。17時に一度閉園し、18:30から再開園
- プロジェクションマッピング(岩崎家時代の土蔵壁面への映像投影)やフォトスポット設置なども実施
- 夜間特別観賞券:前売り1,000円(オンライン)/当日1,200円(窓口・オンライン)。当日窓口は現金のみ
🍁 紅葉(夜間特別観賞「庭紅葉の六義園」)
- 例年11月下旬〜12月上旬に見頃を迎え、「庭紅葉の六義園 夜間特別観賞」が開催される。2025年は11月28日(金)〜12月9日(火)、18:00〜20:30(最終入園19:30)
- 約450本の紅葉が池周辺を染め上げ、水面への映り込みが幻想的。「水香江(すいこうのえ)」エリアでは霧とライトが織りなす特別な演出も
- 土蔵壁面へのプロジェクション映像で伝統美とデジタルアートが融合した世界を体験できる
- 夜間特別鑑賞券:中学生以上1,200円(前売り1,000円)、小学生以下無料。大泉水の青いライトアップと水面リフレクションの写真がSNS映えスポットとして人気
🍵 茶室・休憩所
- 吹上茶屋:大泉水を見渡せる池畔の休憩所。季節の甘味(おしるこ・甘酒・だんごなど)が楽しめる。外観は茅葺き屋根でいかにも風雅
- 滝見茶屋:メインの池から少し奥まった静かな茶屋。築山の滝を眺めながら一息つける
- つつじ茶屋:柱が大きく育ったツツジの木でできているという希少な茶屋
- 宜春亭・心泉亭:有料の庭園施設(茶会・研修などに使用)
🌺 四季の花々
- 春(3〜5月):しだれ桜・ソメイヨシノ(3月)→ツツジ(4月下旬〜5月上旬が特に見事)→藤棚・サツキ
- 初夏(5〜6月):さつき・アジサイ。5月4日(みどりの日)は無料公開
- 秋(11〜12月):カエデ・イロハモミジを中心とした紅葉が庭全体を覆う。10月1日(都民の日)は無料公開
- 冬(12〜2月):雪吊り・霜除けの展示(玉藻磯周辺)。松に施された雪吊りの姿が「和の冬景色」を演出する
🏛️ 染井門と庭園ガイド
- 染井門:駒込駅南口から徒歩約2分の近さにある裏門。桜シーズン・一部イベント開催時などに臨時開門。混雑時の来園では正門より圧倒的に近く、ライトアップ時の入場待ちも短縮できる
- 庭園ガイド(無料):土・日・祝日の11:00と14:00に実施。歩きながら庭園の歴史や見どころを解説してもらえる(7・8月は休止、気象状況等により中止の場合あり)
- 英語ガイド:第1・第3日曜日の11:00と14:00に実施(外国語対応)
🗓️ イベントカレンダー
🌸 春(3月中旬〜下旬)春夜の六義園 夜間特別観賞
- しだれ桜の開花状況に合わせて、開催日程が約1週間前に発表される(例年3月中旬〜下旬の連続した約1週間)
- 2026年実績:3月18日(水)〜24日(火)、18:30〜21:00(最終入園20:00)
- チケット:前売り1,000円(オンライン)/当日1,200円。人気日は前売りが売り切れることがあるため早めの購入を推奨
- 混雑回避のコツ:駒込駅南口から徒歩2分の染井門を利用すると正門より入場待ちが短い場合がある。オンライン前売り券があれば専用レーンを利用できる
🌺 春(4月中旬〜5月上旬)ツツジの季節
- 六義園のツツジは規模・美しさともに都内有数。毎年「春の六義園〜大名庭園でつつじを楽しむ〜」として情報発信されている
- 2026年は4月10日〜5月2日に「春の六義園〜大名庭園でつつじを楽しむ〜」開催
- 5月4日(みどりの日)は無料公開。初夏のサツキ・アジサイへと続く花の季節が楽しめる
🍁 秋(11月下旬〜12月上旬)庭紅葉の六義園 夜間特別観賞
- 例年11月下旬〜12月上旬に約2週間開催される紅葉ライトアップイベント
- 2025年実績:11月28日(金)〜12月9日(火)、18:00〜20:30(最終入園19:30)
- 10月1日(都民の日)は無料公開。紅葉の走りを昼間に楽しめる機会
❄️ 冬(12月〜2月)雪吊り・庭園の静寂
- 玉藻磯周辺の松に施される「雪吊り・霜除け」の展示が風情ある冬景色を作る(展示終了は例年2月上旬)
- 年始は12月29日〜1月1日は休園。2日から開園
四季の楽しみ方まとめ
- 🌸 春:しだれ桜ライトアップ(3月中旬〜下旬)は東京随一の夜桜体験。ソメイヨシノやツツジへと続く花の季節が長く続く
- 🌿 初夏:サツキ・アジサイが大泉水のほとりに彩りを添える。みどりの日(5/4)は無料。人も少なく静かな散策に最適
- 🍂 秋:約450本の紅葉が庭全体を覆い、夜間特別観賞では霧と光の幻想的な演出が加わる。都民の日(10/1)は無料
- ❄️ 冬:雪吊りや冬枯れの景色。来園者が少ない穴場シーズンで、のんびり一周できる。正月2日から開園
訪問アドバイス
- 一周は約1時間が目安:園路は変化に富んでいますが、ゆっくり全スポットを回ると1〜1.5時間程度。途中、吹上茶屋や滝見茶屋でひと息つきながら回るのが六義園流のペースです
- ライトアップ時はオンライン前売り券が必須:春・秋ともにライトアップ期間は非常に混雑します。当日窓口では30〜60分待ちが発生することも。前売り券(1,000円・オンライン)を購入しておくと専用レーンで優先入場でき、時間のロスが少なくなります
- 染井門を活用:駒込駅南口から徒歩約2分の染井門はイベント開催時に臨時開門します。正門(徒歩7分)より近く、週末・混雑時の来園では入場まで大幅に時間を短縮できます
- ピクニック・ボール遊び・ペット不可:六義園は国の特別名勝に指定された文化財庭園のため、芝生に座り込んでの飲食・ボール遊び・ペット同伴(ケージ入り含む)はできません。軽食は茶屋で楽しみましょう
- 再入場不可に注意:通常の日中入園は再入場不可です。夜間特別観賞は17時に一度閉園し、18:30から再開園する独立したイベントです。昼・夜の両方を楽しみたい場合はそれぞれ別途入園が必要です
- 旧古河庭園との組み合わせで「園結びチケット」がお得:六義園(300円)と旧古河庭園(150円)を個別購入すると計450円ですが、共通の「園結びチケット」なら一般400円と割安。使用期限がなく、季節を変えて使うことも可能です
六義園【まとめ】
六義園は、元禄の文化人・柳澤吉保が和歌への深い愛情を注ぎ込んで造り上げた「和歌の庭」です。
八十八境として配置された景観のひとつひとつに古典文学の世界が宿り、池を一周するだけで万葉集・古今和歌集の旅をしているような気分になります。そのうえ春のしだれ桜ライトアップ・秋の紅葉夜間特別観賞はいずれも東京屈指の人気イベントとなっており、四季を通じて見どころが尽きません。
文学・歴史・自然が好きな人には特におすすめで、近くの旧古河庭園と合わせて半日〜1日かけてじっくり巡れば、東京の庭園美のエッセンスを存分に味わえます。
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最新の開花状況・イベント情報・夜間特別観賞のチケット購入は、六義園 公式サイト(東京都公園協会):https://www.tokyo-park.or.jp/park/rikugien/ および公式X(旧Twitter):@RikugienGarden でご確認ください。
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- 文京区 公園