◎ 日本初の近代公園が2030年代に向けて生まれ変わる——日比谷公園で120年の歴史と都会の緑を楽しむ


日比谷公園(ひびやこうえん)は、東京都千代田区にある都立公園で、1903年(明治36年)6月1日に日本初の「西洋風近代公園」として開園した、120年以上の歴史を持つ東京の象徴的な公園です。
霞が関・有楽町・銀座というビジネスと文化の中心地に約16.2haの緑のオアシスが広がり、平日はランチタイムのオフィスワーカー、休日は家族連れや観光客、早朝は健康広場で運動する常連。一日中途切れることなく人が集まります。

大噴水・雲形池の鶴の噴水・首かけイチョウ・第一花壇など、開園当時の面影を残しながら、現在は2033年の開園130周年完成を目指した大規模な「再生整備事業」の真っ最中です。第二花壇周辺は整備が完了して「芝庭広場」として新たに生まれ変わりました。
一方、「日比谷野音」として半世紀以上にわたって音楽ファンに愛された大音楽堂は2025年10月1日から使用休止・改築工事中(2029年整備完了予定)です。変化の過程にある今の日比谷公園もまた、歴史の生き証人として訪れる価値があります。

基本情報

  • 正式名称:日比谷公園(東京都立公園)
  • 所在地:東京都千代田区日比谷公園
  • 電話:03-3501-6428(日比谷公園サービスセンター)
  • 面積:約161,636㎡(約16.2ha、東京ドーム約4個分)
  • 管理:公益財団法人 東京都公園協会
  • 開園:1903年(明治36年)6月1日
  • 特徴:日本初の西洋風近代公園。西洋文化を大胆に取り入れつつ和の要素を織り交ぜたデザイン。花壇・大噴水・雲形池・首かけイチョウなどが点在。現在、2023年〜2033年の再生整備工事を段階的に実施中

⏰ 開園時間・休園日・入園料

  • 開園時間:常時開園(24時間)
  • サービスセンター:8:30〜17:30(年末年始除く)
  • 休園日:無休
  • 入園料:無料(一部施設・イベントは別途有料)
  • 車椅子貸出あり(サービスセンター)

🅿 駐車場

  • 公園直営の駐車場はなし
  • 近隣の日比谷地下駐車場(東京都道路整備保全公社)など周辺の有料公共駐車場を利用
  • 複数の地下鉄路線が直結しているため、公共交通機関での来園が最もスムーズです

アクセス

  • 東京メトロ丸ノ内線・千代田線「霞ヶ関」駅(B2出口):すぐ(公園西側)
  • 東京メトロ日比谷線・千代田線・都営地下鉄三田線「日比谷」駅(A10・A14出口):すぐ(公園北側)
  • JR「有楽町」駅:徒歩約8分
  • 近隣には皇居・東京ミッドタウン日比谷・銀座があり、徒歩圏内での周遊が楽しめます

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歴史

日比谷という地名は、かつてこの地に海が入り込み、海苔作りや魚捕りに使う「ひび」という道具に由来するといわれています。江戸時代には萩藩毛利家・松平肥前守などの大名屋敷が置かれた場所でした。明治維新後の1871年(明治4年)に陸軍の操練所となり、1885年(明治18年)には「日比谷練兵場」に改称。その後周辺の都市化により1886年(明治19年)に練兵場が青山へ移転した跡地に、公園を設けることが計画されました。

設計を担ったのは、ドイツに留学した経験を持つ林学博士・本多静六です。1900年(明治33年)に造園委員会から依頼を受け、花壇・噴水・音楽堂・運動場を備えたドイツ式公園を範とした設計案をまとめました。1902年(明治35年)4月着工、翌1903年(明治36年)6月1日に日本初の西洋風近代公園として開園。本多は後に奈良公園・明治神宮外苑など全国の公園設計に携わり、「日本の公園の父」と呼ばれるようになりましたが、日比谷公園が彼が初めて設計した公園です。

開園と同年の1903年には松本楼が出店。1905年には小音楽堂(野外音楽堂)が竣工し、1923年(大正12年)7月には大音楽堂が完成しました。同年9月の関東大震災では小音楽堂が倒壊・松本楼が焼失した一方、大音楽堂は残存。公園は罹災者の仮設住宅地・避難場所となりました。太平洋戦争中は軍用地となり花壇でジャガイモが栽培され、戦後はGHQに接収されました。1951年(昭和26年)の接収解除後に復旧が進み、1961年(昭和36年)9月に直径30m・吹き上げ高12mの現在の大噴水が完成しています。2003年(平成15年)に開園100周年、そして2023年(令和5年)に120周年を迎えました。

見どころ・施設

💧 大噴水・噴水広場(第二花壇跡)

  • 直径30m・主噴水の吹き上げ高12mという大噴水が公園のシンボル。ドラマ・映画・CMのロケ地としても定番
  • ⚠️ 現在、大噴水・小音楽堂周辺は再生整備工事中(2025年〜)。第二花壇周辺は整備が完了し「芝庭広場」として新たに開放されており、広い芝生に自由に立ち入れる

🦢 雲形池・鶴の噴水

  • 開園当初から残る自然な形状の池。ドイツの公園設計図を模した「雲形池」は公園の歴史的景観の核で、池の中央に「鶴の噴水」が据えられている
  • 鶴の噴水は1905年(明治38年)頃、東京美術学校の津田信夫・岡崎雪声の両氏によって制作。「和魂洋才」を体現する本多静六の精神が宿るシンボル
  • 秋の紅葉シーズンは周囲のモミジが色づき、絶好の撮影スポットになる
  • 戦時中は噴水が撤去・池も埋められたが、戦後に復元された

🌺 第一花壇

  • 西洋式の整形花壇。春のチューリップ・バラ、夏のサルスベリ・アジサイ、秋のバラ・コスモスなど季節ごとに異なる花が楽しめる
  • ⚠️ 現在、第一花壇・心字池周辺も再生整備計画が進行中(2026年5〜6月にオープンハウス開催済み)。最新の工事状況は公式サイト・東京都建設局のページを確認

🌿 心字池・日比谷見附跡

  • 江戸城の石垣「日比谷見附跡」が残る、公園の和の要素を代表するエリア。開園当初の心字池は江戸の記憶を今に伝える
  • 再整備計画では、心字池を修復し歴史的景観を再現する方針が示されている

🌳 首かけイチョウ

  • 推定樹齢400〜500年・幹周り7mの大イチョウ。もとは現在の日比谷交差点付近にあり、道路拡張で伐採が決まっていたところを、本多静六博士が「私の首を賭けても移植させる」と強く主張し、明治35年(1902年)に約450mを25日間かけて移植させたことからこの名がある
  • 松本楼の横に位置し、秋に鮮やかに黄葉する公園のシンボルツリー

🎵 大音楽堂(日比谷野音)——現在改築工事中

  • 「ロックの聖地」「フォークの殿堂」として半世紀以上にわたって数え切れないアーティストのコンサートが行われてきた野外音楽の聖地。キャンディーズの解散宣言、エレファントカシマシほか多くの名公演の舞台
  • 2025年9月28日のエレファントカシマシのライブをもって「3代目野音」のクロージングとなり、2025年10月1日から使用休止・改築工事に着手。2027年春着工、2029年整備完了予定
  • 改築内容:ステージの向きの変更・防音壁改修による音漏れ軽減、2階観覧エリアの新設、急勾配スロープの改修とエレベーター設置によるバリアフリー化、楽屋・バックヤードの拡充。開園当初の大音楽堂の様子をQRコードで多言語解説する設備も導入予定

🎼 小音楽堂(現在工事中)

  • 1905年開設・1983年建替えの野外小音楽堂。かつては週末の無料音楽会などに使われてきた
  • ⚠️ 大噴水・小音楽堂周辺は現在再生整備工事中(2025年度〜)

🏛️ 日比谷公会堂

  • 1929年(昭和4年)竣工の歴史的建造物。東京を代表するクラシックコンサートや市民集会の場として長く使われてきた
  • 2025年7月、東京都が「日比谷公会堂の保存活用計画」を策定。現建物を保存しながら耐震化・改修を実施する方針が決定した。完了時期は順次発表予定

📚 千代田区立日比谷図書文化館

  • 公園に隣接する公共図書館。2011年(平成23年)に東京都から千代田区へ移管され「日比谷図書文化館」として開館。蔵書・展示のほか、講座・セミナーも充実

🍛 松本楼

  • 1903年(明治36年)の開園と同年に開業した老舗レストラン。関東大震災・沖縄返還運動時の焼失を経て再建され、「ハイカラービーフカレー」など洋食の名店として今も愛されている
  • 毎年9月には10円カレーの提供で知られる

🌿 芝庭広場・草地広場

  • 第二花壇周辺の再整備が完了し「芝庭広場」が新たにオープン。ピクニックやヨガ、木漏れ日の下での読書など、のびのびと過ごせる芝生エリア
  • 草地広場は球技禁止(健康広場を除く)・ペットはリード着用必須

🎾 テニスコート・健康広場・かもめの広場

  • テニスコートは早朝から多くの利用者がいる人気施設(有料・要予約)
  • 健康広場は朝の運動・ストレッチに利用されるエリア(球技可)
  • かもめの広場:東京の鳥「ユリカモメ」の噴水がある広場。都道府県の木が植えられた「郷土の森」が周囲を囲む

🌟 その他の見どころ

  • ホセ・リサール像:フィリピンの民族的英雄の銅像。外国からの賓客の目を引く国際色豊かな一角
  • HIBIYAパークピアノ:2025年11月に「HIBIYAパークピアノWEEK」として設置された路上ピアノが話題に。来園者が自由に演奏できる取り組み
  • バリアフリー日比谷公園プロジェクト:再生整備と並行して車椅子・ベビーカーでも快適に利用できるユニバーサルデザイン化も推進中

🗓️ イベントカレンダー

🌸 春(3〜5月)チューリップ・桜・バラ

  • 第一花壇のチューリップ・ハナミズキが4月上〜中旬に見頃。桜はソメイヨシノのほかオオシマザクラも園内各所で咲く
  • 5〜6月にかけて第一花壇のバラが美しく咲き揃い、多くの来園者が訪れる

🌿 初夏〜夏(6〜8月)アジサイ・サルスベリ・ユリ

  • 6月のアジサイ、7〜8月のサルスベリ・ユリが園内を彩る
  • 木陰が豊富で都心の猛暑から逃れやすい貴重な緑地。ランチを持参してのシェードピクニックがおすすめ

🎃 秋(9〜11月)バラ・紅葉・ガーデニングショー

  • 日比谷公園ガーデニングショー(毎年10月下旬):2003年の開園100周年記念として始まった恒例イベント。2026年は10月17日(土)〜25日(日)に第24回を開催。ガーデン部門・コンテナガーデン部門など充実の展示が楽しめる
  • 第一花壇の秋バラが10〜11月に見頃。雲形池周辺・首かけイチョウが黄葉する11月は紅葉の見頃

🍺 初夏・秋 オクトーバーフェスト

  • 毎年5月の「日比谷オクトーバーフェスト」(春開催)と9〜10月の秋開催が定番の大型ビールイベント。ドイツビールや各種フードが楽しめ、会場は連日大賑わい

❄️ 冬(12〜2月)梅・日比谷パークシネマ

  • 梅が2月頃から咲き始め、静かな公園散策が楽しめる
  • 「日比谷パークシネマ」など期間限定の野外映画イベントが不定期開催

四季の楽しみ方まとめ

  • 🌸 春:第一花壇のチューリップ・バラに始まり、桜→ハナミズキとビジネス街の緑が華やぐシーズン。ランチタイムのピクニックが特に気持ちよい
  • 🌿 夏:アジサイ・サルスベリ・ユリ。木陰が多く都心の猛暑を和らげてくれる。噴水広場周辺のベンチが人気
  • 🍂 秋:秋バラ・首かけイチョウの黄葉・雲形池の紅葉。ガーデニングショーやオクトーバーフェストで公園全体が賑わう
  • ❄️ 冬:梅が静かに咲く穴場シーズン。整備工事の少ないエリアを巡りながら公園の歴史を感じる散策も

訪問アドバイス

  • 工事中エリアを事前確認:2023年〜2033年の再生整備工事が段階的に進んでいるため、大噴水・小音楽堂・大音楽堂・第一花壇・心字池周辺など一部エリアが立入制限・通行止めになっている場合があります。来園前に公式サイト(東京都建設局・東京都公園協会)で最新の工事情報を必ず確認してください
  • 野音(大音楽堂)は2025年10月から使用休止中:2029年整備完了予定の大音楽堂は現在改築工事中です。コンサート目的の来園の場合は注意が必要です
  • 球技・スケートボード禁止:芝庭広場・草地広場では球技は禁止(健康広場を除く)。スケートボードも不可。ゴミは必ず持ち帰りを
  • 撮影申請が必要な場合あり:商業撮影・映像制作は事前申請が必要。個人撮影はルールに従えば基本的に自由です
  • ランチタイムの混雑に注意:平日の11:30〜13:00は周辺オフィスからのランチ客で特に噴水広場・松本楼周辺が賑わいます。早め・遅めの時間帯がゆっくりできます
  • 皇居・銀座・東京ミッドタウン日比谷とセットで:皇居外苑まで徒歩数分、銀座へも10分圏内。東京ミッドタウン日比谷とは有楽町側デッキ(整備計画あり)でのつながりも検討されています。半日〜1日コースで周辺をまとめて楽しむのがおすすめです

日比谷公園【まとめ】

日比谷公園は、本多静六が「日本の公園の父」となるきっかけとなった日本初の西洋風近代公園です。
120年以上にわたって東京のど真ん中で都市と緑の共存を体現してきたこの公園は、今まさに2033年の開園130周年に向けた大規模な再生整備の真っ只中にあります。
大音楽堂(野音)の改築、大噴水エリアのリニューアル、日比谷公会堂の耐震改修と保存活用——それぞれのプロジェクトが完成すれば、日比谷公園は「歴史と新しさが融合した東京最高峰の都市公園」として生まれ変わります。変化の過程を見届けながら、今この瞬間の日比谷公園を楽しんでみてください。

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最新のイベント情報・工事状況・開花情報は、日比谷公園 公式サイト(東京都公園協会):https://www.tokyo-park.or.jp/park/hibiya/ および東京都建設局 日比谷公園再生整備ページ:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/park/tokyo_kouen/hibiyakouensaiseiseibi でご確認ください。