◎横浜本牧に広がる日本庭園の傑作──三溪園


横浜市中区本牧の丘陵地に広がる三溪園(さんけいえん)は、明治・大正時代に生糸貿易で財を成した実業家・原三溪(本名:富太郎、1868〜1939年)が造り上げた、横浜が誇る本格的な日本庭園です。
総面積約17万5,000㎡(東京ドーム約3.7個分)という広大な敷地に、京都・鎌倉・奈良などから移築された重要文化財10棟を含む17棟の歴史的建造物が、池や樹林と絶妙に調和して点在しています。

1906年(明治39年)5月1日に外苑を一般公開して以来120年、桜・梅・蓮・紅葉と移ろう四季の自然美と、江戸〜明治時代の名建築が重なり合うこの庭園は「国指定名勝」にも指定されており、国内外の観光客を惹きつけ続けています。2026年は開園120周年という節目の年にあたり、大茶会・特集展示など記念イベントが続々と開催されています。

この記事では三溪園の歴史・見どころ・最新イベント・アクセスまでを詳しくまとめました。はじめての方も、リピーターの方も、訪問前にぜひご覧ください。

🗂️ 基本情報

  • 正式名称:三溪園(さんけいえん)/国指定名勝
  • 所在地:神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
  • 開園:1906年(明治39年)5月1日(外苑一般公開)。2026年に開園120周年を迎えた
  • 面積:約17万5,000㎡(約17.5ha)
  • 開園時間:9:00〜17:00(最終入園16:30)※夜間イベント時は延長あり
  • 休園日:12月26日〜31日
  • 電話:045-621-0635(三溪園)

💰 入園料・割引

  • 大人(高校生以上):900円
  • 子ども(小・中学生):200円
  • 横浜市内在住65歳以上:700円(本人確認書類の提示が必要)
  • 割引料金(大人800円・子ども100円):JAFカード・神奈川県民共済わかばカード・ベネフィット・ワン会員証・横浜市交通局みなとぶらりチケットのいずれかを持参の場合、または市内宿泊施設等で配布の割引券持参の場合。10名以上の団体も同料金
  • 障害者手帳持参の場合:ご本人および付き添い1名まで無料
  • 年間パスポート:購入日から1年間有効(正門・南門窓口で販売、現金のみ)
  • 支払い方法:クレジットカード(JCB・VISA・Master・Discover・銀聯)、交通系IC(Suicaなど)・WAON・nanacoも利用可
  • 電子チケット:じゃらんnetや各種予約サイトで事前購入も可能(窓口の行列を回避できる)

🚃 アクセス

  • JR根岸線「根岸」駅から市営バス58・101系統で「本牧」下車、徒歩約10分(乗車約10分)
  • JR根岸線「根岸」駅から市営バスで「三溪園南門入口」下車(乗車約7分が最短)
  • 横浜駅東口(そごう側)バスターミナル2番乗り場から市営バス8・148系統で「三溪園入口」下車、徒歩約5分(乗車約40分)
  • JR桜木町駅・元町・中華街駅からもバスでのアクセス可(路線バスの系統は公式サイトで確認を)
  • 土日祝日は「ぶらり三溪園BUS」が運行(「三溪園」バス停で下車すると正門まで徒歩約1分)
  • 車:首都高速「本牧埠頭IC」から道なりに進み「本牧元町入口」右折→3つ目の信号左折(約5分)。「新山下IC」からも到着可能(※下り車線は「三溪園IC」では降りられないため注意)

横浜・本牧エリアを車でまわるなら、レンタカーも便利ですよ。

[PR]

楽天トラベル(レンタカー)

🚗 駐車場情報

  • 正門入口横に最大60台(バスと乗用車兼用のため、バスの予約状況により台数が変動)
  • 料金:入場から2時間まで1,000円、以降30分ごとに200円加算。上限なし
  • 営業時間:9:00〜17:00(最終入庫16:30)
  • 桜・紅葉・夜間開園時などは特に混雑。公共交通機関の利用を強くおすすめ
  • 正門駐車場が満車の際は、近接する本牧市民公園駐車場(南門まで徒歩約220m)も利用可

🏛️ 三溪園の歴史

原三溪は1868年(明治元年)に岐阜県に生まれ、横浜の富太郎家に婿入り。生糸・絹織物貿易で大きな財を成し、茶人・美術愛好家・文化支援者として明治〜大正の文化界に大きな足跡を残しました。近代三茶人の一人に数えられるほどの茶人でもあり、横浜の若い芸術家たちを広くパトロンとして支援したことでも知られています。

  • 1902年頃から庭園の造成を開始。最初の移築建築は1905年(明治38年)に内苑に置いた旧天瑞寺寿塔覆堂(豊臣秀吉が母の長寿を祈り1591年に建立)
  • 1906年(明治39年)5月1日:外苑を一般公開。当時から市民に開放されていたのは先進的な姿勢だった
  • 廃仏毀釈や戦禍などから守るため、京都・鎌倉・奈良・岐阜などの名建築を移築・保存。関東大震災(1923年)後の復興にも尽力した
  • 1939年(昭和14年)に原三溪が死去。死後、公益財団法人が運営を継承し現在に至る
  • 2006年:国の名勝に指定
  • 2026年:開園120周年を迎え、記念イベントが多数開催されている

🌿 見どころ:古建築と庭園

園内は大池(おおいけ)を中心とした外苑と、原三溪の私邸エリアだった内苑に分かれており、合計17棟の歴史的建造物が配置されています。うち10棟が国指定重要文化財、3棟が横浜市指定有形文化財です。園内からは現代の建物がほぼ見えない設計になっており、歩くたびに時代を超えた風景に出会えるのが三溪園最大の魅力です。

🏯 旧燈明寺三重塔(重要文化財)

  • 三溪園のシンボル的存在。京都府木津川市の燈明寺から移築された室町時代の三重塔(1457年建立)で、園内随所から望める
  • 大池の水面に映る三重塔の姿は三溪園を代表する絶景。特に桜や紅葉の季節、ライトアップ時が格別に美しい

🏡 臨春閣(重要文化財)

  • 紀州徳川家の別荘だった数寄屋風書院造の楼閣建築で、移築完了まで原三溪が11年の歳月を費やした大作。狩野派などの障壁画や和歌をはめ込んだ欄間が残る
  • 通常は外観のみの公開だが、開園120周年記念イベントとして2026年4〜5月に内部の特別公開が実施された(次回公開は公式サイトで要確認)

🏘️ 旧矢箆原家住宅(合掌造り・重要文化財)【2027年3月まで工事中】

  • 岐阜県の飛騨地方(現・高山市荘川町)にあった入母屋合掌造りの豪農住宅。御母衣ダム建設による水没を免れるため、1960年(昭和35年)に三溪園に移築・寄贈された。現存する合掌造りでは最大級の建物
  • 農家建築と書院造が融合した特異な構造が見どころ。囲炉裏の火と煙の香り、飛騨民具の展示が江戸の暮らしを伝えていた
  • ⚠️現在工事中:2026年1月21日より屋根の葺き替えおよび耐震補強工事のため、内部公開を休止中(2027年3月末まで予定)。外観は工事フェンス越しに確認可能

🌿 その他の見どころ

  • 鶴翔閣(かくしょうかく):原三溪の旧邸宅。正月・お盆の時期に内部公開される
  • 聴秋閣(ちょうしゅうかく):徳川二代将軍・秀忠が建てたとされる小さな茶室。内苑の山懐に静かに佇む
  • 旧天瑞寺寿塔覆堂(じゅとうおおいどう):豊臣秀吉が1591年に建立。三溪が最初に移築した建造物で内苑にある
  • 三溪記念館:原三溪が収集した絵画・茶道具・書簡などを展示。入園料のみで観覧可能
  • 大池・散策路:外苑の中心となる大池を一周するコースが基本。起伏を利用した遊歩道が内苑へと続き、1〜2時間かけてゆっくり巡れる

🌸 四季の花カレンダー

  • 冬(1〜2月):臥竜梅など梅の古木が開花。梅の盆栽展なども開催。冬景色の中の古建築が静かで情緒深い
  • 春(3〜4月):三溪園最大のハイライト。9種・約250本の桜が外苑を彩る。関東では珍しい岐阜県ゆかりの品種も咲く。ソメイヨシノのほか枝垂れ桜など多品種が順次開花し長く楽しめる
  • 春〜初夏(4〜6月):藤・花菖蒲・ツツジが次々と開花。新緑の時期は庭園全体が瑞々しい緑に包まれる
  • 夏(7〜8月):大池の蓮が見頃。早朝観蓮会(7〜8月の日曜)が人気イベント。朝顔展(7月)も開催
  • 秋(10〜11月):紅葉が大池や古建築を彩る。三溪園随一の景観美を見せる季節。大茶会・俳句展なども秋に集中
  • 冬〜正月(12〜1月):三溪園ならではの正月行事(筝曲・庖丁式・和妻など)で新年を迎える演出。鶴翔閣が公開される

📅 2026年の主なイベント

🌸 桜ライトアップ2026(3月27日〜4月5日)

  • 開催期間:2026年3月27日(金)〜4月5日(日)
  • ライトアップ時間:18:00頃〜21:00(最終入園20:30)。9:00から通常通り入園可
  • 場所:外苑(17:00以降は内苑・三重塔への山道は立入禁止)
  • 入園料のみで参加可。旧燈明寺三重塔や桜が黄金色に浮かび上がる夜景が格別

🌺 早朝観蓮会2026(7月25日・26日、8月1日・2日・8日・9日)

  • 早朝の大池に咲く蓮の花を楽しむ三溪園伝統のイベント
  • 午前中に閉じてしまう蓮の花を早朝に観賞できる貴重な機会。茶・軽食の提供もあり

🎋 朝顔展(7月24日〜28日)

  • 園内で開催される朝顔の展示会。三溪園の夏の風物詩のひとつ

🖼️ 開園120周年記念 特集展示「描かれた三溪園」(6月6日〜9月7日)

  • 三溪記念館にて、所蔵品の中から三溪園を描いた絵画作品を展示。入園料のみで観覧可能
  • 前期(6月6日〜7月22日)・後期(7月下旬〜9月7日)で展示の一部が入れ替わる

🍵 開園120周年記念 三溪園大茶会(10月31日・11月1日)

  • 茶道五流派が集う歴史ある茶会。前回から9年ぶり・第31回目の開催となる特別企画
  • 定員:800名(400名×2日間)。参加費18,000円(税込み、入園料・点心代含む)
  • 参加申込受付開始:2026年7月15日(水)9:00〜
  • 関連企画展「原三溪とその茶友たち-齋藤清コレクション-」も三溪記念館で同時開催(10月31日〜12月8日)

🔖 第50回 三溪園俳句展(5月22日〜10月19日)

  • 長期にわたって園内で作品を展示する、三溪園の伝統的な文化イベント

💡 訪問者のためのTips

  • 所要時間は1〜2時間:外苑の大池一周コースだけなら1時間弱。内苑の山道や建造物を丁寧に見て回るなら2時間以上。ボランティアガイドの定時ツアー(日本語:11時・13時30分、英語:13時30分)を活用すると解説付きで深く楽しめる
  • 飲食施設は早閉まりに注意:園内の茶店「待春軒」「三溪園茶寮」の閉店は早め(15〜16時頃)。ゆっくり散策してから食事・お茶を楽しみたい場合は、遅くとも14時台には立ち寄ろう。お弁当・飲み物の持参もおすすめ
  • 桜・紅葉シーズンは要注意:駐車場はすぐ満車になる。公共交通機関利用が賢明。バスは道路渋滞で遅延することも多いため、時間に余裕をもって行動を
  • ペット入園不可:盲導犬・介助犬・聴導犬を除き、ペットの入園は禁止されている
  • 旧矢箆原家住宅は現在工事中:2026年1月から2027年3月末まで屋根葺き替え工事のため内部非公開。訪問前に公式サイトで最新状況を確認のこと
  • 電子チケットが便利:じゃらんnet等で事前購入すれば窓口での待ち時間を短縮できる。桜シーズンなど混雑時に特に有効

三溪園【まとめ】

三溪園は、横浜という港町の片隅に、原三溪という一人の文化人が日本の精神を宿した非日常の別世界を作り上げた場所です。開園から120年、重要文化財の古建築と四季の花が共演するその風景は変わらず訪れる人を魅了し続けています。
2026年の開園120周年には、普段は非公開の建物の特別公開・大茶会・特集展示など充実した記念プログラムが展開されています。
山下公園や中華街からはバスで移動が必要ですが、それだけの価値のある横浜最高峰の庭園スポットです。

横浜の公園をさらに探すなら神奈川県の公園・庭園一覧もご覧ください。

最新のイベント情報・開花状況・工事の進捗は必ず三溪園公式サイトでご確認ください。