◎岩崎家が愛した「石の庭園」!東京・清澄庭園を歩く

清澄庭園(きよすみていえん)は、東京都江東区清澄3-3-9にある都立庭園です。東京都指定名勝にも選ばれていて、大泉水を中心に築山や名石を配した回遊式林泉庭園の姿は明治の庭園様式を今に伝える貴重な存在といえるでしょう。
都立9庭園のひとつに数えられ、ビルに囲まれた街中にいることを忘れさせてくれるような静かな水と緑の空間が広がっています。

もとは豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡と伝わる土地で、江戸中期には関宿藩主・久世家の下屋敷になったそうです。その後、三菱財閥を築いた岩崎弥太郎が明治11年(1878年)にこの地を買い取り、社員の慰安や賓客の接待にふさわしい庭として本格的な作庭に着手しました。
全国から名石を集めて造られた池泉回遊式庭園は、いまも「石の庭園」の異名で親しまれています。
この記事では、清澄庭園の基本情報からアクセス、見どころ、四季の楽しみ方まで、これから訪ねる方に役立ちそうな情報をまとめました。

📍基本情報

  • 所在地:東京都江東区清澄3-3-9
  • 開園時間:午前9時〜午後5時(入園は午後4時30分まで)。イベント開催期間やゴールデンウィークなどは時間が延長されることもあります
  • 休園日:年末年始(12月29日〜翌年1月1日)
  • 入園料:一般150円、65歳以上70円。小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料。身体障害者手帳などをお持ちの方と付添の方(原則1名)は無料。団体割引あり。みどりの日(5月4日)・都民の日(10月1日)は無料開放されます
  • 年間パスポートあり(清澄庭園単独パスポートと、都立9庭園共通パスポートの2種類が用意されています)
  • 2026年8月17日からは、オンラインで日付指定の入園券を購入できるサービスも導入されました
  • 指定管理者:公益財団法人東京都公園協会
  • 問い合わせ:清澄庭園サービスセンター 03-3641-5892
  • 庭園の保存を大切にしている施設のため、ペット同伴での入園はお断りしています

🚗アクセス・駐車場

  • 都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅A3出口から徒歩約3分と、電車利用なら迷わずたどり着ける立地です
  • 秋葉原駅方面や豊洲・お台場方面へ向かう都バス路線も清澄白河駅周辺を通っており、周辺観光と組み合わせやすくなっています

駐車場について

  • 清澄庭園には専用駐車場が用意されていません。車での来園を考えている場合は、周辺のコインパーキングを利用することになります
  • 庭園から徒歩3〜4分の範囲にタイムズ系列のコインパーキングが複数あるため、事前に空き状況や最大料金を調べておくと当日慌てずに済むはずです
  • 清澄白河エリアは休日にカフェ巡りの人出で賑わうこともあり、桜のシーズンなどは周辺のコインパーキングも埋まりやすくなります。余裕を持って探すか、電車での来園を選んだほうが結果的にスムーズかもしれません
  • 庭園見学だけでなく、隣接する東京都現代美術館や深川江戸資料館まで足をのばす予定なら、電車での訪問のほうが荷物も少なく身軽に楽しめます

◎清澄白河は駅から庭園までの距離が近く、都心からのアクセスも良いエリアです。とはいえ、清澄庭園を起点に東京湾岸のお台場方面や、少し足をのばして横浜方面まで周遊する計画があるなら、楽天トラベル(レンタカー)を借りておくと自由度の高い旅程が組めます。駐車場のない庭園散策自体は電車で身軽に、その前後の移動は車で、という使い分けもひとつの手でしょう。


🌿清澄庭園の見どころ

💧大泉水と磯渡り

  • 庭園の中心となる大泉水は、隅田川の水を引いて造られたもので、3つの中島を配して周囲をぐるりと歩けるようになっています
  • かつては潮の満ち引きによって水位や景観が変化する「潮入り庭園」だったそうですが、現在は雨水で水源をまかなう形に変わっています
  • 池の縁には石を飛び石状に置いた「磯渡り」が3か所設けられており、渡るたびに視点が変わって、同じ庭でも違う表情を見せてくれます
  • 足元に気をつけながら渡る磯渡りは、子どもから大人まで自然と笑顔になれる仕掛けだと思います

🪨全国から集めた名石の数々

  • 伊豆磯石、伊予青石、生駒石、佐渡赤玉石、讃岐御影石など、岩崎家が汽船を使って全国から集めた名石が園内のあちこちに配置されています
  • 石には産地を記した名札が付けられているものもあり、ひとつひとつを見比べながら歩くと、庭園というより野外の地質展示を巡っているような楽しさがあります
  • 雨上がりや雨の日は石の色がぐっと濃くなり、しっとりと落ち着いた雰囲気を味わえます。あえて雨の日に訪ねるファンが多いのもうなずけます

🏯涼亭

  • 明治42年(1909年)、英国のキッチナー元帥を歓迎するために建てられた、数寄屋造りの茶屋風建築です
  • 昭和60年に改修工事が行われ、今も大切に残されています。池に張り出すように建つ姿は庭園の中でもひときわ絵になるスポットです
  • 現在も集会施設として貸し出されており、午前・午後・夜間の3区分で利用できます(利用には別途入園料が必要です)

🌸富士山(つつじ山)

  • 庭園内でもっとも高さのある築山で、通称「つつじ山」とも呼ばれています
  • ツツジやサツキが植えられており、例年5月上旬に見頃を迎えます。緑の築山が一面に色づく様子は一見の価値があります

🏛️大正記念館

  • 大正天皇の葬儀に関連する建物を移築したものと伝わる集会施設です
  • 涼亭と同じく、事前予約をすれば結婚式や式典などに利用することもできます(最大150名収容)

📜芭蕉の句碑

  • 松尾芭蕉の句を刻んだ石碑が園内に移設されています
  • 深川はかつて芭蕉庵があった土地でもあり、句碑の存在が土地の文学的な記憶を静かに伝えてくれます

🐢池の生き物と緑

  • 大泉水にはコイやカメが悠々と泳いでいて、眺めているだけで時間を忘れそうになります
  • クロマツをはじめとした緑が随所に配され、枯山水的な要素も取り入れられています
  • 野鳥観察を楽しむ方の姿もよく見かけ、双眼鏡片手に静かに過ごしている方も少なくありません

🌳西側の清澄公園(開放公園)

  • 庭園の西側には「清澄公園」という無料で利用できる開放エリアがあります
  • 芝生広場やサクラの木が植えられていて、庭園とはまた違った、のびのびとした時間を過ごせます
  • お弁当を持ってピクニック気分で過ごしたい方には、こちらのエリアが向いているかもしれません

🌸季節の楽しみ方

  • 早春:2月下旬頃からカンヒザクラが咲き始め、庭園の春はここから始まります
  • :3月下旬にソメイヨシノ、4月上旬からはサトザクラと、桜のリレーが3月上旬から4月下旬まで長く楽しめます。5月上旬には富士山(つつじ山)のツツジ・サツキが見頃を迎えます
  • 初夏:アジサイやハナショウブが庭園に彩りを添える季節です。菖蒲田は現在架橋工事のお知らせが出ることもあるため、訪問前に公式サイトで最新状況を確認しておくと安心です
  • 秋〜冬:紅葉のシーズンを過ぎると庭園は静けさを増し、澄んだ空気の中で名石と池の対比をじっくり味わうのに向いた季節になります

💡訪問のポイント

  • 所要時間:ひと通り回遊するだけなら40分程度が目安です。石をひとつずつ眺めながらゆっくり歩くなら、もう少し時間を見ておくとよいでしょう
  • 雨の日こそ:石が濡れて美しく光る雨の日や雨上がりは、実は隠れた狙い目のタイミングです
  • ペット不可:文化財としての保存を優先しているため、ペット同伴では入園できません
  • 周辺観光と組み合わせて:徒歩圏内に東京都現代美術館や深川江戸資料館があり、清澄白河エリアは個性的なカフェも多いので、庭園散策の前後に立ち寄ってみるのもおすすめです
  • ガイドツアー:土日祝の定時などにボランティアガイドによる案内が行われることもあります。詳しい日程は公式サイトで確認してみてください
  • 最新情報の確認:工事情報やオンライン入園券の導入など、運用は少しずつ更新されているので、訪問前に公式サイトをチェックしておくと安心です

清澄庭園【まとめ】

清澄庭園は、岩崎家が全国から集めた名石と隅田川の水を引いた大泉水が織りなす、明治期を代表する回遊式庭園です。

磯渡りで水面の近くを歩いたり、涼亭のたたずまいに見入ったりしているうちに、街の喧騒はどこか遠くへ行ってしまうような感覚を味わえます。桜の時期はもちろん、あえて雨の日に訪れて石の表情を楽しむのも、この庭園ならではの過ごし方といえるでしょう。

すぐ近くの東京都現代美術館や深川江戸資料館と合わせて巡れば、清澄白河エリアをたっぷり満喫できるはずです。

最新の開園状況や工事情報、オンライン入園券については、公園へ行こう!清澄庭園の公式サイトで確認してから訪れてみてください。