◎武士も庶民も、共にこの梅に酔いしれた——日本三名園・偕楽園
茨城県水戸市にある偕楽園は、金沢の兼六園・岡山の後楽園と並ぶ「日本三名園」のひとつです。天保13年(1842年)、水戸藩9代藩主・徳川斉昭が「士民共楽」——武士も庶民も共に楽しむ——という理念を掲げて造園した、格式と歴史を兼ね備えた庭園です。千波湖を借景に取り込んだ広大な景観は、江戸時代からほぼ変わらぬ姿で訪れる人を出迎えています。
なかでも梅の名所としての名声は群を抜いています。園内には約100品種・3,000本もの梅が植えられており、早咲きから遅咲きまで長い期間にわたって白梅・紅梅が次々と花開きます。毎年2月から3月にかけて開催される「水戸の梅まつり」は明治時代に始まった歴史ある行事で、2026年には第130回という節目を迎えました。
梅の時期だけが見せ場ではありません。春の桜、夏の竹林の緑、秋の萩ともみじ谷の紅葉、冬の静寂——偕楽園は四季を通じて異なる表情を持ち、何度訪れても新しい発見がある庭園といえるでしょう。
🌿 基本情報(2026年現在)
- 正式名称:偕楽園(かいらくえん)
- 所在地:茨城県水戸市常磐町1-3-3
- 電話:029-244-5454(偕楽園公園センター)
- 面積:本園約7.2ha(拡張部の四季の原・もみじ谷などを含めると大幅に広がる)
- 休園日:なし(年中無休)
- 開園時間(本園):
- 2月中旬〜9月30日:6:00〜19:00
- 10月1日〜2月中旬:7:00〜18:00
- 拡張部(四季の原など):常時開放(イベント時は変更あり)
- 入園料(本園):
- 大人(15歳以上):320円 / 団体(20名以上):240円
- 小人(義務教育課程の児童・生徒):160円 / 団体:130円
- 70歳以上:入園料半額
- 無料入園の条件:
- 梅まつり期間を除いて、茨城県民は無料(運転免許証・マイナンバーカード等の提示が必要)
- 梅まつり期間を除いて、開門時間から午前9時まで一律無料
- 春・夏・冬休み以外の土曜日は小中高生が無料
- 障害者手帳・指定難病医療費受給者証をお持ちの方と介護者1名は無料
- 好文亭(重要文化財)の入館料:
- 大人:230円 / 小人:120円 / 70歳以上:半額
- 開館時間:2月中旬〜9月30日 9:00〜17:00(最終入館16:45)
- 10月1日〜2月中旬 9:00〜16:30(最終入館16:15)
- 休館日:12月29日〜31日
- キャッシュレス決済:クレジットカード(VISA・Master・AMEX・JCBほか)、交通系IC(Suica・PASMOほか)、QRコード決済(PayPay・楽天ペイ・d払い・メルペイ等)に対応
- 電子チケット:アソビュー・KKday・Klookなどのオンラインサービスでも購入可能(料金所不要で入園できて便利)
- ペット:本園・歴史館区域内はペット(犬等)の入園不可。拡張部(四季の原等)はリード着用ルール遵守のうえ入園可
🚃 アクセス
- 電車(東京方面):東京駅からJR常磐線特急で水戸駅まで約75分→水戸駅から茨城交通バスで「偕楽園」または「好文亭」下車、約20分
- 電車(梅まつり期間の臨時駅):梅まつり期間中はJR常磐線「偕楽園駅」(臨時・下り列車のみ)が開設。最寄り駅から徒歩でアクセス可能になり、非常に便利
- 高速バス:東京駅八重洲南口から茨城交通「みと号」で水戸駅南口まで約2時間→路線バスに乗り換え
- 車:常磐自動車道「水戸IC」から約20分
- 駐車場:周辺に複数あり(偕楽園下駐車場・常磐神社駐車場・千波湖西駐車場・桜山第一〜三駐車場など)。梅まつり期間中は一部利用制限あり。詳細は公式サイトで要確認
- お得なきっぷ:「水戸漫遊1日フリーきっぷ」(茨城交通)を使うと路線バス料金が割引になり、水戸市内の観光施設入場料も一部割引に
梅まつり期間中は公共交通機関の利用がおすすめです。臨時の偕楽園駅が開設されるため電車が最もスムーズです。
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🌸 主な見どころ
🏯 好文亭(重要文化財)
- 木造二層三階建ての「好文亭」と、木造平屋造りの「奥御殿」から構成される、徳川斉昭が自ら設計した別邸
- 「好文亭」という名前は、梅の別名「好文木(こうぶんぼく)」に由来。学問に励むと梅が咲き、怠ると散るという故事から命名された
- 最上階(三階)からは千波湖と水戸市街を一望でき、斉昭が見た景色を今も体感できる
- 入館料は本園入園料とは別途必要(大人230円)。最終入館に時間制限があるため、早めの見学がおすすめ
- 4月下旬には「好文亭内庭特別公開」が行われ、普段は立ち入れない内庭でキリシマツツジなどを鑑賞できる
🌸 梅林(約100品種・3,000本)
- 早咲きから遅咲きまで品種が豊富で、2月中旬から3月下旬にかけて長期間楽しめる
- 白梅・紅梅が織りなす色彩のコントラストは、晴れた日の千波湖の青とあいまって格別の美しさ
- 偕楽園には「水戸の六名木」と呼ばれる特に優れた6品種の梅があり、それぞれ固有の風情を持つ
- 梅の木は古木が多く、毎年6月には梅の実を早めに落とす「梅の実落とし」という作業が行われ、翌春の花を守っている
🎋 孟宗竹林・大杉森(陰の世界)
- 表門(好文亭表門)から入ると、まず薄暗い竹林と杉の大木が続く「陰の世界」へと誘われる
- この演出は斉昭の意図によるもので、暗い陰から明るい梅林(陽の世界)へ出るメリハリが、偕楽園の最大の魅力のひとつ
- 表門は昭和20年の戦火にも焼け残った、創設当初からの現存建造物
🌊 千波湖の借景
- 仙奕台(せんえきだい)から望む千波湖の眺めは「水戸八景」のひとつに数えられる絶景
- 崖に突き出た高台の突端には石造りの碁盤・将棋盤が置かれており、斉昭が「湖を眺めながら将棋や囲碁に興じよ」と領民に示した場所でもある
- 早朝や夕暮れ時は湖面の光の変化が美しく、写真撮影にも最適
🍂 拡張部(四季の原・もみじ谷・桜山)
- 拡張部エリアは常時無料開放で、散策やピクニックにも最適
- もみじ谷では秋(11月上旬〜中旬)に約170本のカエデ・モミジが色づき、期間中は夜のライトアップも実施(日没〜21時)
- 桜山では春(4月初旬〜中旬)に約370本の桜が咲き誇る。また、園内には二季咲桜(秋冬と春の2回咲く)や左近の桜も植えられている
- 現在(6月)はもみじ谷でアジサイが見頃を迎えており、梅まつり以外の季節も足を運ぶ価値がある
📜 偕楽園記碑
- 斉昭自身が筆をとり、自らの宇宙観・人生観・藩主としての姿勢までを記した石碑
- 裏面には園内禁止6か条が刻まれており、「公園管理の先駆け」とも呼ばれる歴史的資料
- 偕楽園が弘道館と一対の施設であり「一張一弛(いっちょういっし)」の精神に基づく場であることが記されている
📅 年間イベントカレンダー
🌸 春(2月〜4月)
- 第130回記念 水戸の梅まつり(2026年2月11日〜3月22日):偕楽園・弘道館が会場。野点茶会、写真コンテスト、全国梅酒まつりin水戸、田谷の棒術演武など多彩な催しが期間中に行われる
- 偕楽園 UME The Lights 2026(ライトアップ):2月13日〜3月15日の金・土・日・祝日限定(計16日間)、18:00〜20:30(最終入場20:00)開催。前売りチケット:高校生以上800円・小中学生400円 / 当日:高校生以上1,000円・小中学生500円(小学生未満無料)。徳川斉昭の「陰と陽の世界観」を光で表現した幻想的な演出で、梅を使ったグルメや地酒も楽しめる
- 夜・梅・祭2026〜水戸城〜:2026年3月7日(土)17:00〜20:00、弘道館・水戸城跡を会場にプロジェクションマッピングや水府提灯が彩る夜の観梅イベント
- 水戸の桜まつり(4月初旬〜中旬):拡張部の桜山で約370本の桜が見頃を迎える
- 好文亭内庭特別公開(4月下旬):ツツジの季節に普段非公開の内庭を特別開放
☀️ 夏(6月〜8月)
- アジサイ(6月):拡張部のもみじ谷でアジサイが涼しげに開花。現在(2026年6月)まさに見頃を迎えている
- 梅の実落とし(6月上旬頃):翌春の花を守るために青梅の時期に実を落とす、偕楽園ならではの作業行事
- 水戸黄門まつり(7月末〜8月初旬):千波湖からの花火大会と、水戸のまちなかを彩るカーニバル・山車巡行。60年以上の歴史を持つ水戸夏の風物詩
- 夏の偕楽園は青々とした竹林と緑が美しく、早朝の散策が特に清々しい
🍂 秋(9月〜11月)
- 水戸の萩まつり(9月初旬〜下旬):見晴らし広場や好文亭下に紅紫色・白色の萩が咲き誇る。斉昭が偕楽園創設時から植えたとされる由緒ある花。期間中は萩のライトアップも実施
- 中秋の名月イベント:竹林散歩・提灯づくり体験など夜の幻想的なイベントが開催される
- もみじ谷の紅葉(11月上旬〜中旬):約170本のカエデ・モミジが鮮やかに色づく。期間中のライトアップ(日没〜21時)も見逃せない
❄️ 冬(12月〜2月)
- 静かな冬の偕楽園は千波湖の水面が澄んで美しく、早咲きの梅が少しずつ開き始める
- 2月中旬から梅まつりがスタートし、最も賑わうシーズンへと移行する
- 冬期(10月〜2月中旬)の開園は7:00〜18:00で、朝の清涼な空気の中で散策できる
🍃 四季の風景まとめ
- 春:100品種・3,000本の梅が白と紅に染める圧巻の梅林。夜のライトアップイベントも加わり、昼も夜も見応えは満点。4月には桜まつりと好文亭内庭特別公開も続く。
- 夏:青竹の涼やかな緑と、もみじ谷のアジサイが爽やかな彩りを添える。千波湖を見下ろす仙奕台では湖風が心地よく、散策が心身のリフレッシュになる。
- 秋:萩の花が見晴らし広場を紫に染め、もみじ谷では約170本の木々が燃えるように色づく。水戸黄門まつりが夏の終わりを飾り、月見のイベントも趣深い。
- 冬:静寂に包まれた偕楽園では、澄んだ空気と千波湖の冬景色が際立つ。早朝9時前の入園は無料(梅まつり期間外)で、ゆったりと独り占めのような贅沢な時間を過ごせる。
💡 訪問のポイント
- 茨城県民は梅まつり期間外は無料:運転免許証やマイナンバーカードを提示するだけで入園無料。さらに梅まつり期間外は開門から9時まで誰でも無料なので、早朝散策が狙い目。
- 好文亭は早めに入館を:最終入館時間が閉館の15〜30分前と短いため、特に午後の訪問は時間に注意。見晴らしの良い三階まで上るなら1時間程度の余裕を持って入りたい。
- 梅まつり期間はアクセスに要注意:臨時の偕楽園駅が開設されるため電車が最もスムーズ。車の場合は早朝到着推奨。梅まつり期間中は茨城県民割引も適用されないため、料金を事前に確認しておこう。
- ライトアップは前売りがお得:「偕楽園 UME The Lights」の前売りチケットは当日より200〜400円割安。インターネット購入のみなので、訪問前に公式サイトまたはアソビュー・KKday・Klookで購入しておくのがスマート。
- 所要時間の目安:本園のみなら1〜1.5時間。好文亭見学・拡張部散策・イベント参加を含めると半日程度が必要。弘道館(徒歩圏内)や千波湖公園と組み合わせると、1日で水戸の歴史を堪能できる。
- 電子チケットが便利:アソビュー・KKday・Klookなどのオンラインサービスで電子チケットを購入しておくと、当日料金所でのやりとりが不要。外国語対応もあり、海外からの旅行者にも利用しやすい。
偕楽園【まとめ】
偕楽園は、単なる梅の名所にとどまらない、歴史・思想・景観が重なり合う日本を代表する庭園です。
「士民共楽」の精神が息づく空間は、江戸時代から変わることなく訪れる人を分け隔てなく迎え入れています。
梅まつりの賑わいはもちろんのこと、静かな早朝、萩の秋、もみじ谷の紅葉など、シーズンごとに顔が変わる偕楽園はリピーターが多く、年間を通じて茨城旅行のハイライトになりえる場所です。
水戸観光の際はぜひ弘道館や千波湖公園とあわせて訪れてみてください。最新の開花情報・イベント・料金については、偕楽園公式サイトでご確認ください。
- 投稿タグ
- 水戸市 公園